本記事ではLaTeX記法を用いて、ファイナンスの二項モデルの図を描く方法を解説する。
本記事で解説する方法はLaTeXの行列の記述方法を応用するものである。
具体的には、適当なサイズの行列を用意し、その中に二項モデルの各ノードの値と、それらを結ぶ矢印を配置することによって、図の完成を目指す。
この方法はパッケージには依存しないため、例えばブログにおいてMathjaxを用いている場合にも適用可能である。
最終的には以下のような図が得られる。
斜め矢印は、次のようなコードで記述できる。
\[ \nearrow\\ \searrow\\ \swarrow\\ \nwarrow \]
それぞれ、
例えば、3行3列の行列は、以下のようなコードで記述できる。
\[ \left( \begin{array}{ccc} a & b & c \\ d & e & f \\ g & h & i \end{array} \right) \]
改行は\\(円マークもしくはバックスラッシュふたつ)で行う。
各要素は空欄になっても構わないし、かっこがなくてもよい。
\[ \begin{array}{ccc} a & & \\ & e & \\ & & i \end{array} \]
2つの時点を持つ二項モデルの図は、以下のようなコードで記述できる
\[ \begin{array}{ccc} & p & S_1(H)=uS_0\\ & \nearrow & \\ S_0 & & \\ & \searrow & \\ & q & S_1(T)=dS_0 \end{array} \]
この方法は、多期間の二項モデルにも応用可能である。
\[ \begin{array}{ccccc} & & &p &u^2S_0\\ & & &\nearrow &\\ & p & uS_0 & &\\ & \nearrow & &\searrow &\\ S_0 & & & &udS_0\\ & \searrow & &\nearrow &\\ & q & dS_0 & &\\ & & &\searrow &\\ & & &q &d^2S_0 \end{array} \]
この方法は特殊なパッケージを利用することなく使えるので、Mathjaxに対応したブログ等でもそのまま使うことが可能である。
スポンサードリンク
本記事で解説する方法はLaTeXの行列の記述方法を応用するものである。
具体的には、適当なサイズの行列を用意し、その中に二項モデルの各ノードの値と、それらを結ぶ矢印を配置することによって、図の完成を目指す。
この方法はパッケージには依存しないため、例えばブログにおいてMathjaxを用いている場合にも適用可能である。
最終的には以下のような図が得られる。
斜めの矢印のLaTeXコード
まず、二項モデルの図における、資産価格の上昇・下落を示す斜めの矢印を描けるようにする。斜め矢印は、次のようなコードで記述できる。
\[ \nearrow\\ \searrow\\ \swarrow\\ \nwarrow \]
\[ \nearrow\\ \searrow\\ \swarrow\\ \nwarrow \]
それぞれ、
arrow
に東西南北(East,West,South,North)の頭文字を組み合わせて、方角を表している。行列のLaTeXコード
LaTeXで行列を記述するには、array
環境を用いる。例えば、3行3列の行列は、以下のようなコードで記述できる。
\[ \left( \begin{array}{ccc} a & b & c \\ d & e & f \\ g & h & i \end{array} \right) \]
\[ \left( \begin{array}{ccc} a & b & c \\ d & e & f \\ g & h & i \end{array} \right) \]
\begin{array}{ccc}
環境のcの数を増やすことで、行列の列の数を増やすことが出来る。改行は\\(円マークもしくはバックスラッシュふたつ)で行う。
各要素は空欄になっても構わないし、かっこがなくてもよい。
\[ \begin{array}{ccc} a & & \\ & e & \\ & & i \end{array} \]
二項モデルのLaTeXコード
行列と斜め矢印の記述方法を応用し、二項モデルの図を描く。array
環境でノードと矢印の配置場所を確保し、適切な場所にノードの値を記述していく。2つの時点を持つ二項モデルの図は、以下のようなコードで記述できる
\[ \begin{array}{ccc} & p & S_1(H)=uS_0\\ & \nearrow & \\ S_0 & & \\ & \searrow & \\ & q & S_1(T)=dS_0 \end{array} \]
\[ \begin{array}{ccc} & p & S_1(H)=uS_0\\ & \nearrow & \\ S_0 & & \\ & \searrow & \\ & q & S_1(T)=dS_0 \end{array} \]
この方法は、多期間の二項モデルにも応用可能である。
\begin{array}{ccc}
のcの数を増やすことで、期間の数を増やすことが出来る。\[ \begin{array}{ccccc} & & &p &u^2S_0\\ & & &\nearrow &\\ & p & uS_0 & &\\ & \nearrow & &\searrow &\\ S_0 & & & &udS_0\\ & \searrow & &\nearrow &\\ & q & dS_0 & &\\ & & &\searrow &\\ & & &q &d^2S_0 \end{array} \]
\[ \begin{array}{ccccc} & & &p &u^2S_0\\ & & &\nearrow &\\ & p & uS_0 & &\\ & \nearrow & &\searrow &\\ S_0 & & & &udS_0\\ & \searrow & &\nearrow &\\ & q & dS_0 & &\\ & & &\searrow &\\ & & &q &d^2S_0 \end{array} \]
この方法は特殊なパッケージを利用することなく使えるので、Mathjaxに対応したブログ等でもそのまま使うことが可能である。
参考文献等
- https://www.biwako.shiga-u.ac.jp/sensei/kumazawa/tex/arrow.html
- http://www.latex-cmd.com/equation/matrix.html
- S. E. シュリーヴ, ファイナンスのための確率解析Ⅰ, 2012, 丸善出版
スポンサードリンク
0 件のコメント :
コメントを投稿